ダバーロック (ワカメ / Alaria esculenta)

特徴

ダバーロックは広く分布する褐色海藻の一種で、冬期作物として水の流動性の良い寒冷地で生育しています。

ウィングケルプと呼ばれる理由としては、海藻中央部に大きな肋骨があり、その両側から波状の膜が伸びていて、それが翼に似ているためだと考えられています。種名のダバーロックは、文字通り "食べることができる翼 "を意味します。大西洋ワカメとも呼ばれ、英国のさまざまな地域ではダバーロック、バダーロック、ムリン、リビニ、キュポグ・ナグ・クロクとも呼ばれています。

ウィングケルプは通常、長さ2～3mに成長します。中肋は左右に最大7cm幅の波状の葉に分岐する。他の藻類に比べて成長速度がかなり速く、1日に5.5％成長し、1平方メートルあたり湿重量で約2kgの容量にまで到達します。

ヨーロッパにおける地理的な広がりと収穫期

ヨーロッパでは、ノルウェー、スバールバル、フランス大西洋岸、チャンネル諸島、イギリス、アイルランド、オランダ、ヘリゴランド、バルト海沿岸、アイスランドなど、波の影響を強く受ける海岸で自生しています。世界的に見ると、北米のニューイングランド州、カナダ沿海州、ラブラドール州、カナダ北極圏、グリーンランドで見られ（栽培も）ます。アジアでは、日本、韓国、クリル諸島、サハリン、カムチャッカでよく見られます。

ダバーロックは多年生作物で、アイリッシュ海では4〜5年、ノルウェーでは7年まで生き続けることができます。最も速く成長するのは冬の終わりから春にかけてで、1日あたり1～5cmの速度で成長します。成長速度は6月から低下し、夏の終わりには成長が止まることもあります。ヨーロッパでは通常、4月から6月にかけて収穫が行われます。

栄養成分

ウイングケルプはカルシウムが豊富で、また、ビタミン、特にビタミンA、ビタミンK、ビタミンC、多数のビタミンB群を多く含みます。マグネシウム、鉄、カリウム、ヨウ素などのミネラル、窒素、ホウ素、ラジウム、ルビジウム、カドミウム、コバルト、ニッケルなどの元素を含み、食物繊維と水溶性食物繊維を非常に多く含んでいます。

また、ダバーロックには、酵素、クロロフィル、ベータカロチン、糖質、タンパク質が含まれており、特にフコキサンチンが豊富で、血糖値のコントロール、ダイエット促進、がん対策に効果があると言われています。アルギン酸は最大42％含まれています。

食品への利用

ダバーロックは、さまざまな用途に使用することができるので、自然食品市場では急速に人気を高めています。なお、ウィングケルプの健康に対する潜在的な効果には、次のようなものがあります。

• 豊富な栄養素。ビタミンAはロドプシンの合成を助けて視力の向上に、ビタミンBは細胞の代謝向上、ビタミンKは骨の発達や健康な血球に寄与します。クロロフィルは、膵炎の副作用を軽減する効果があるとされています。ヨウ素は、甲状腺のホルモンの生成に重要なミネラルです。カリウムは電解質として機能し、体内に蓄積された炭水化物を利用するための触媒となり、タンパク質を作り、筋肉の成長を促進する役割を果たします。マグネシウムは、骨の成長だけでなく、消化管の酸・塩基平衡の健全な維持にも重要です。鉄は、血液の酸素運搬能力を高めます。

• おいしい。甘い香りと天然由来のグルタミン酸ナトリウムが舌の受容体と反応し、独特のうま味を生み出します。

• がんと闘う。ウィングケルプに含まれるフコキサンチンは、乳がんや大腸がんなどの予防に役立つという研究結果が発表されています。

• 免疫力をアップさせるウィングケルプを食事に取り入れることで、免疫力が高まり、ヘルペスの発生を抑えることができます。

• 心血管系の健康を改善します。血圧を低下させ、心血管系の健康増進ができることが示されています。
  

食品以外の用途

海藻は、農業・園芸・農学、美学・化粧品、環境衛生・監視・修復、工業、医薬・薬学、科学・技術・生物医学など幅広い分野において活用されており、また今後さらに活用ができる素材として潜在的な用途があると考えられています。

• カラギーナンは褐藻類から抽出され、ゲル化、増粘、安定化の作用があることから広く使用されています。
• アルギン酸は、ウィングケルプラから抽出され、乳化剤や工業用ガムとして広く使用されています。石鹸、シャンプー、コンディショナー、ボディラップ、フェイシャルマスク、メイクアップクリームやジェルなどの製品に使用されています。

• 寒天は、ウィングケルプなどの海藻から作られており、細菌培養のための基質として実験室などで普遍的に使用されています。寒天の代替品としては、今のところ納得される素材は見つかっていません。

• フコイダンやラミナリンなど、昆布の誘導体の特性は、薬学や医学の分野で研究されています。

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